いつもの甘えた舌足らずの言葉で言われた

Rは学校が始まる前、必ずひとりでポツンとベンチに座っている。
新しい学校に移ったからというわけでなく、前の幼稚園ですっかり学校に慣れて休み時間には大騒ぎするようになっていた時でも、始業前は送って行ったNの足にしがみついていたそうだ。お友達が誘いに来ても、絶対に離れなかった。

今朝も一人で背中を丸めて座っていたので、帰る時に言ってみた。
「Rくん、なんでいつも一人で座ってるの?あういうRくん見るの、ママちょっと寂しいな。」

そうしたら、Rは甘ったれた声で、でもキッパリと言った。
「僕は僕で、ママはママでしょ。」

「そうだねぇ。」たしかに、そうだ。5歳にしては、かっこいいこと言うなぁ、と思ってしまった。