七月最終日

高校のwebでスケジュールを見て驚いた。
今年いっぱい、土曜日の殆どがマーチングバンドで埋まってるじゃないの。
補習校、行けないじゃないの。
黙っていられなくて、長男にちょこっと話してみたら、思った通り不機嫌になった。
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子どもたちが育ってきて、何がせつないかと言えば、自分の力では子どもたちを100%快適にしてあげることは出来ないこと。
赤ちゃんなら、泣けば「お腹がすいた」とか「おむつが濡れてるとか」とか「だっこして欲しい」とか、いや、時には何で泣いているのかまるでわからなくて途方に暮れてしまっても、泣き疲れて眠るのは自分のそば。
子どもたちにはもうそれぞれ自分の社会があるのだから、そこでのことは私には何ともしてあげられないことが沢山あるのだ。
当たり前なのだけど。
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わたしより背が高くなってしまった長男をだっこしてよしよし出来るとは思えないないし、そんなことされても長男は嬉しくないだろうし、そんなことして何も解決しないわけだし。
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だらだらと夏休みを過ごしている姿を見ていると、「何か一つでも熱中できるものを見つけたら!」と小言の一つ、いや百も言ってきた。
マーチングバンドが高校での友達を見つける良い機会になるかもしれないし、熱中出来る何かになってくれれば良いと思ったから、それを勧めたのだけど。
ふくれている様子を見ると、勧めたのは間違いだったのかなと思ったり。
でもきっと、勧めていなかったら、それはそれで勧めれば良かったと私は後悔しただろうし。
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何の解決にはならないと知りつつ、いつもよりも少し高めの声をかけて、肩をぽんぽんと叩いてみる。
なおとJには「機嫌の悪い時にかまわれるのはイヤなもの」といつも言われているのだけど、放ってもおけないの。
長男も一応「ん」とだけ、反応してくれたので、そのまま部屋を出る。
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三十分位押し黙っていた後、「今日のお昼ご飯、なぁに?」と、いつもより明るめの声で聞いてきた。
「あと一週間、のんびりのびのびしようね!」とにこにこと声をかけてしまう、甘い母の私。
七月は今日で終わり。