引越し その1

引越し前日の19日、なおとJは会社を休み、共同作業で運べる荷物をせっせと運んだ。

100度を超えているだろう暑さ。
ふらふらしながら車に荷物を積む。
通りすがりの車が、止まった。
何だろう、っとボーっと見てると、なんだかんだ言っている。
コンタクトが入ってないので、顔はよく見えない。
「近所に、シーフードレストランがあるんだけど。。。」

え?私を誘ってるのかい?
この暑さでフラフラの私を?
暑さと疲れで半分聞こえない。
フラフラしながら、首を横に振ると、車は去っていった。

この日の私。
汗をかくので、当然ノーメーク。
なおとJのお古のグレーの大きなTシャツに、ジーンズの短いパンツを履き、捨てようと思っていた次男の穴のあいたポケモンのびのびソックスに、黒いサンダルを履き、黒い変なつば付き麦わら帽子をかぶっていた。帽子の下から覗く髪の毛は、もちろんボーボーである。
日本だったら、近所だろうとも絶対にこんな格好で出ないだろう。

気の毒でごちそうしてくれようと思ったのかな。。。
「シーフードはいいから、ちょっと荷物を運んでくれないかい、お兄さん」と思いながら走り去る車をボーっと見送った。