the biggest day

   photo by Naotoj photo by Naotoj 長男を無事に大学まで送り届けてきた。 東京から北海道まで位の距離、長男の大学のために往復するのも今回で四回目。 10年以上前に初めて南カリフォルニアに遊びに行った時には、遠くて長くてもう二度と車では行きたくないと思ったものだけど。 山越えて、平地を走って、また山越えて。その長い道のりも覚えた。 ハイスクールを卒業してから三ヶ月、一緒にお昼ごはんを食べたし、留守する時も戸締りを気にせずに気楽に出かけたし、家事もしてもらったし、寮の暮らしの準備のために何度か一緒に買物に出たし、膨らむ心配で色々と口うるさくも言った。 長男が大学に入ってしまったら、お昼の時間に私は一人でどう思うだろうかとか、白いご飯があまり減らないだろうなとか、そんなことを想像するといつでもウルウルとなれたけど、想像しないように、想像しないようにと過ごしてきた。 それでいて、これから始まる長男の新しい生活を想像して、ワクワクしたりもした。 長男が入寮した後にどうやったら寂しさを減らすことが出来るのか、色々読んで準備した。 なんのことはない、寂しいと思うのが普通なのだ、心にぽっかりと穴が開くのが当たり前のことなのだと気がついて、世の中に仲間が沢山いるように思ったり、 でもその対策法を読んでみても、それは寂しさの埋め合わせに過ぎないと思ったり、 結局少しずつ慣れていくんだろうと思ったり。慣れたくなんかなかったり。 帰りの車の中でも、家に着いてからも、「今頃、何してるかな」と次男が何度も言う。 この三ヶ月まるで「小さい私*1」のように、次男が長男に(長男にとっては迷惑な)アドバイスを沢山していたのは、心配でたまらなかったから。 帰りの道、「泣く?」と次男に聞いたら、 「まだ実感がなくてよくわからないなぁ」と言っていたけど、 そういえば小さい時に一時帰国から帰って来て数日してから「おばあちゃま〜」と夜泣きしていたなと思い出した。でもまさか「おにいちゃま〜」と夜泣きはしないだろう。 車の中で”長男が陥りそうな状況”を語り合って笑いながらも、三人とも長男のことを思った。 長男のいない寂しさを共有できて、幸せだ。長男もこんな風に思ってくれる弟がいて幸せだ。 あぁでも三年経てば、次男も大学。 ここでまたウルウル。 世間の荒波になど出来ることなら晒したくはなく、傷つくような目には合わせたくなく、 そんな風に思っても、この世に生まれてきた瞬間から、私になど守りきれるものではない。 精一杯守ろうとして、逆に私が傷つけてきたことも沢山ある。 守りきれないのだから、自分で強くいられるように道を作ってあげるしかない。 大学の寮の生活は、一人暮らしをするよりもずっと守られている。もっと大きな世界にでていくのには、とても良い通り道だ。 大学を卒業しても、もう同じ家に一緒に住むことはないかもしれない。 いやいや、大学の休みの時に帰ってくるのは家族のところなわけだし、今から先のことを考えて重く捉えることもないかも。 そんな風に気持ちは行ったり来たり。 数週間前から始まった大学もあるけれど、来週から始まるためにこの週末で引越の子も多く、南カリフォルニアへ向かう道は、我が家と同じように大きな荷物を詰め込んだ車がたくさんだった。 みんなが通る道なのだ。親も子も。 いくらこうして長く書いたところで、書き尽くせるはずが無いほど思うことはたくさんあるのだけど。

*1:実際は私よりも背が高いけど