10時から12時の間に来るはずの水道修理屋が11時50分になっても来ない。
すると電話が鳴った。
学校からで、オフィスの人が「次男くんがズボンを濡らしちゃったから、着替えを持ってきてほしい」と言う。「次男くんと話す?」と聞かれたので代わってもらうと、蚊の鳴くような声で「I wet my pants.」と次男が言う。
「ママすぐ行くから、心配しなくていいからね。あのね、今水道屋さんが来るの。でも終わったらすぐ行くからね。」と言うと、またオフィスの人が出てきた。「とても心地悪そうだから、早く来てください」と言うので、「出来るだけ早く行きます。」と言って電話を切った。次男の学校のオフィスの人は、いつも優しい人たちだ。
12時まで5分ない。今水道屋に来られたら、ずーっと行けなくなってしまう。なおとJにその旨を電話で伝えて、学校に向かった。
オフィスに行くと、オフィスの人が「とてもupsetしちゃってるのよ。」と言う。次男はイスに座るのも気持ち悪いらしく、決まり悪そうにしていた。
みんなと図書室に行く時間中でトイレに行くタイミングがなかったのと、風邪のひきはじめで寒くて失敗したらしい。
クラスヘルプに来ているおばあさんに話して、オフィスまで連れてきてもらったのだそうだ。
オフィスのトイレで綺麗にしてあげて、教室に連れていった。
お友達にはばれていないらしく、「チャイルドケアで漏らさなくてよかったぁ。」と言い残して、次男は何気なく教室へと入っていった。

2年前の秋を思い出した。
1年生の長男は、隣のクラスとビデオを見ている最中、トイレに行きたいと言えなくて、大きい方をもらしてしまった。学校に入ってまだ一ヶ月少し。英語も話せない頃。
担任の先生曰く、「長男くんが近づいてきたら匂いでわかったから、オフィスに行くように言った。」のだそうだ。
(汚れたお尻で心細いのに、一人でオフィスに歩く長男。)
オフィスで何と言われたのかよく知らないが、長男は下着を脱いで、直接ズボンを履いた。
(心細いのに、一人で着替える長男。)
教室に戻る途中、早めに迎えに来ていたトシ君のお母さんが事情を聞いてくれて、長男が手に持っていた汚れたパンツを預かってくれた。(涙ものです。)

私は何も知らずに迎えに行くと、トシ君のお母さんに知らされる。
驚いていると授業が終わって長男が教室から出てきた。
他の子にばれないように、そうっと教室に連れて戻ると、もう担任の先生はいなかった。
汚れたパンツを脱いだので、足も汚れてしまっている。出来る限りふいてあげて、家に帰った。
幸いクラスの子にはばれていなくて、長男はそれ以上つらい思いをしないですんだ。

Rは日本で言えば幼稚園の年中さん。
あの頃の長男も、日本だったらまだ幼稚園の年長さんだった。
日本の幼稚園では、もしものための着替えの下着や制服が幼稚園に準備してあった。

長男のこの事は、いつ思い出しても、私はせつなくてたまらなくなる。